ピエ・イエズス
第一音源
https://youtu.be/-XYvPP2wYns
『ピエ・イエズス』(優しきイエス)アラン・クレマン(推定年齢12~13才)\コルボ
“優しきイエスさま、私たちの主よ
どうか彼らに平安をお与えください
彼らに永遠の安息をお与えください”
三分半にも満たないこの愛らしい曲歌は、
フォーレのレクイエムの第4曲だ。
今日はこの歌を出発点として、道の学びを始めたい。
比較参照の為に先ほどの音源とは別の録音を聴いてみよう。
第二音源
https://youtu.be/dHbUebcQopo
『ピエ・イエズス』(女性ソプラノ)
二つの音源を聴き比べてもらったのは、
声楽的技巧の巧みさや伝統的発声法について云々する為ではない。
歌唱力や感情移入の度合いを比較してもらいたいのでもない
ましてやあなたや私の好みについて意見を求めているのでもない。
そうではない。あくまでもイエスさまの道を歩む者たちの助けとなり得る未知の何かを
あなたに伝達する為の一つの素材を提供することが、ここでの目的だからである。
ではさっそく識別を始めよう。
最初のボーイ・ソプラノの音源をもう一番聴いてみよう。
何故コルボ(第一音源の指揮者)がこの録音においてボーイ・ソプラノを起用したのかについて、彼はインタビューの中でこう語る。
「フォーレのレクイエムにはこれ見よがしの自己表現旺盛な人は要りません。
素朴で敬虔な人が必要です。」
天にまで真っ直ぐ届くような不純物の含まれない透き通った声、
飾り気のないこの“声”が呼び覚ます憧憬は何を起源としているのか?
第二次性徴が顕在化する以前の、あざとさの欠片もない中性的意識の光。
遥かな記憶、この世ならぬ遠いかなたの記憶が微かに目覚める。
私たち道を歩む者にもそのような瞬間があったろう。
神に在った“あの時”への郷愁と憧れを想い出さないか?
小さき自我から解き放たれていた“あの時”の存在性の記憶の響きを・・・
この“声”を媒体に、あなたに囁きかける聖霊が
教えておられること、それは何か?
浄化が必要です。
「フォーレのレクイエムにはこれ見よがしの自己表現旺盛な人は要りません。
素朴で敬虔な人が必要です。」
あなたにも分かるはず。
我意に死ぬこと。一歩一歩。そうして生きるということ。
我意による操作を止めること。
私たちの生が純粋な祈りとなること。
物質界・人間界の一切が通り抜け、
すべてに貫き、浸透する光の微粒子のごとき透明性にまで高められること。
イエスさまはそうお望みであり、
そうであるようにと、経験を通し私たちを導いておられる。
私はそう思うのです。
第三音源
https://youtu.be/GaRBabkOyzc
コルボ指揮『フォーレ「レクイエム」二短調 全曲 作品48 』
PS.第一音源のボーカリスト:アラン・クレマンは、この録音の十日後から声変わりが始まり、この美しき歌声は音もなく虹が消え去るように世界から消えてしまった。